発達障がい児のお母さんと懇談会①当日の様子と感じたこと

2023年7月30日、発達に特性のある概ね10歳までのお子さんの親御さんと懇談するタウンミーティングを開催しました。その会の様子と、感じたことをお伝えします。

目次

発達障害と増加の背景

発達障害は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ASD(自閉スペクトラム/自閉スペクトラム障害)、LD(学習障害)等に分類されます。発達障害が診断基準に満たない場合でも、グレーゾーンであったりその特性は一人ひとり様々です。

2012年12月公表された文部科学省の調査結果から、通常の学級に在籍する小中学生の8.8%に学習や行動に困難のある発達障害の可能性があることが分かりました。2012年の前回調査から2.3ポイント増え、35人学級であれば3人ほどの割合となります。増加の背景には、発達障害への認知の広がりがあるとみられています。増加する発達障害児の個性に応じた支援策の充実が課題となっています。
(引用:日本経済新聞)

タウンミーティングを開催した理由

タウンミーティングとは、私達議員と区民のみなさんとの直接対話によって、区政に対するご意見・ご要望を伺うための座談会です。

今回、発達に特性のある児童の親御さんとのタウンミーティングを開催しようと思ったのは次の理由からです。

・我が子の発達特性についてブログに掲載したところ、多くの反響をいただいたこと
・実際、見ず知らずの方からのご紹介でご相談をお受けするようになったこと

ご相談を伺う中で、私自身が娘の対応に奮闘していた当時を思い出しました。今現在、同じような状況に直面しているお母さんたちの生の声を伺い、区政に届けなくては、と思わせていただいたのです。

私は発達障害について専門的な知識を有しているわけではなく、発達に特性のある子の子育て経験者の一人というだけです。様々な特性を持つお子さんや親御さんのお話を受け止められるだろうかと、正直開催にはとてもとても勇気がいりました。しかし、ADHDとASDを併せ持つグレーゾーンの長女が一緒に参加してくれることになり、開催の決意を固めることができました。長女は、私の不安をかき消してくれる不思議な力を持っていて、とても心強いのです。学生時代の当事者の声を聞いてもらうことで、子どもの生き憎さを少しでも理解できる機会になればと思ったのです。

ご参加いただいた5名の親御さんの様子

当日は、参加してくださった5名の親御さんからお子さんの状況を伺いました。
※お話を伺った親御さんを①~⑤、お子さんをAさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんと記載しています。

①小学校2年生にして政治に興味があり、「自分のように苦しんでいる人のための学校を作りたい」というAさん。手先が器用でミシンで何でも作ってしまう。運動も勉強も成績優秀。しかし、教科書に使われている苦手なフォントやドリルの中の点線を見ると、吐き気がしてしまう。学校では精一杯頑張っているため、家に帰ると食事も入浴もできないくらいに疲れ果て、暴力的になり、困っているお母さん。

②2歳半でASDとの診断を受け療育を受けている年中のBさん。読み書きはできるが、自ら文字を読むのが苦手。面談でコミュニケーションの取り方が気になると言われている。しかし、特別支援教室への優先度は低いと言われ、就学してから通常学級だけで過ごせるのか、クールダウンする場所が必要なのではないかと不安を抱えているお母さん。

③算数が苦手。ウィスク検査(知能を測定する検査で客観的な数値で子どもの得意・不得意などの発達のバランスを知るための検査)で、認知や短期記憶が低い結果が出たばかり。学校でいじめにあい、学校に行きたくないというCさん。娘のためには、このまま通常学級で良いのか悩んでいるお母さん。

④HSPで先生や友達の言葉などに心労を抱えていたDさん。「死にたかった」という娘がどれほどの思いを抱えて過ごしていたのだろうと涙ぐむお母さん。不登校傾向にあるが別室登校できていた。しかし、担任の先生から別室登校の児童に対応できる教員がいないこともあると言われ困惑を抱えている。

⑤今回対象の年齢を超えているが、発達特性があると感じている高校生のEさんの生活態度に悩むお母さん。自分の父親が厳しかったので、そういう子育てはしたくないと思いながら連鎖しているように思うと話される。保育士であり、預かるお子さんの中には、発達障害やグレーゾーンの子がおり対応できているのに、我が子には中々そうできない。お預かりしている発達障害児の保護者が参加予定だったが、所用で参加が叶わないため代わりに参加くださった。

タウンミーティング最中の様子

はじめに、私の自己紹介とこの会の主旨をお伝えしました。

(タウンミーティング開催の主旨)
・ここで何か解決策を見つけるということではなく、様々な特性を持つ子どもの子育てに悩む親同士、共感しながら励ましの場となること

・私が皆さまの声を伺い区政に活かせる場となること

そして、アドバイザーとしてお越しいただいた、主に10歳以下のお子さんを対象に早期教育を行うお教室「エコール Avance 代表の伊藤映子先生のご挨拶、遅れて登場した長女の自己紹介を終え無事にスタートしました。

そのあとは、一人ひとり自己紹介とお子さんの状況をお話しいただきました。時間を大幅に超えるくらい様々な思いを語ってくださいました。初めてお会いした方ばかりでしたが、初めてとは思えないくらい共感力の高さを感じました。お話を伺いながら、皆さん悩み苦しいと感じているけれど、それはお子さんを誰よりも愛しているからであり、今後の子どもの行く末を按ずるが故であると感じていました。

私は長女の発達障害について全てを理解することはできないけれど、他人には見えないであろう長女の良さを知っている。きっと、参加されたお母さんたちも同じように感じているはず。凸凹の激しい発達障害。強調されがちな凹の部分ではなくて、成績や数値などでは表せない凸の部分を発表し合ってこの会を終えようと時計を見ながら考えていました。

最後に、私しか知らない子どもの良いところを発表して終わりたいと思います。とお伝えしました。まず私から「娘の良いところは、弱っている人に優しいところです。家族が病気や怪我等で苦しんでいると、俄然力を発揮して介抱してくれます。」と発表。

続いて、参加してくださったお母さんからも順番に話していただきました。全員が涙しながら子どもの良いところを話し笑顔で終了しました。終了してからも長女は囲まれて色々質問されていました。

タウンミーティングで感じたこと

担任以外の相談窓口が必要!

個別サポートが必要な児童・生徒が増加している中、一人ひとりの特性に対応する相談窓口が担任の先生だけでは限界があると感じました。

Aさんのクラスは3分の1の児童に何らかの配慮が必要という学級で、合理的配慮に欠けると感じられているようです。配慮が必要なクラスの3分の1の児童に、担任の先生1人で対応できるはずがありません。また、就学前のお子さんの発達障害疑いに対してどこに相談したら良いのか分からないという声もありました。この点については、早い段階で相談・対応できるよう相談窓口を周知する必要があると感じました。

人員配置の充実が何よりも先決!

お母さんのお話を伺いながら、一人ひとりには限りない可能性が秘められていて、これからが楽しみだなあと思えてなりませんでした。その可能性を潰すことなく開花できるよう教育・行政の責任と使命は大きいと感じます。

スクールカウンセラーが不足しており、相談待機者がいるという声も寄せられています。教員の負担を軽減し、個別支援の充実を図るために、何よりも人員配置の充実が先決であると感じました。また、給食費無償化の予算により、スクールカウンセラーや通常学級支援員等の人員配置の予算が阻害されることがないよう、改めて区に求めようと思いました。

誰でも利用できるクールダウンする場所が必要!

長女が通学していた小学校は、6年間、1学年1クラスの単学級でした。1クラス35人のうち、6人くらい発達特性を持つ児童がいました。児童同士のトラブルも多く、授業中ウロウロ教室を歩く児童もいました。長女の在学中、担任の先生のご苦労は痛いくらい感じていました。

他の児童生徒に影響が及ばないよう、トラブルがあった時などにクールダウンできる場所があることは重要です。以前視察した宇都宮市では、全小中学校に″かがやきルーム*¹″という特別支援教室があり、専任の教師が配置されていました。このように人と場所を充実させるには、予算を確保しなくてはなりません。こうした教室を杉並区でも実現できるよう取り組もうと決意しました。

かがやきルーム(特別支援教室)とは=通常の学級に在籍しながら、必要な時間のみ個別指導や小集団指導を受けられる教室です。発達障害などの傾向により、学習や生活上に困難さを抱え特別な支援を必要とする子どもたちが利用しています。(緊急対応可)

今回のタウンミーティングで伺った声を議会で提案。2024年からスタートする杉並区実行計画改定案に提案の全てが盛り込まれました!

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