3月下旬、杉並区の7つの会場で区政報告会をさせていただきました。3月15日に行われた杉並区議会第1回定例会での議会報告と、これまでの取組みについてお伝えさせていただきました。

杉並公明チャレンジ10で実現できたこと

定例会では令和5年度予算案が審議され、全て原案通り可決成立しました。4月から執行されてまいりますが、今回の予算案には、私たち公明党が掲げました政策杉並公明チャレンジ10の多くが予算化され、実現する運びとなりました。

杉並公明チャレンジ10

杉並区議会公明党は、明年の杉並区議会議員選挙に向けて、❝杉並公明チャレンジ10❞として、10個の共通政策を掲げました。 ① 帯状疱疹ワクチン接種費用助成 加齢・ストレス…

① 帯状疱疹ワクチン接種費用助成

帯状疱疹ワクチン接種の公費助成が実現します。杉並区議会では公明党が一番に声を上げて取組んでまいりました。私の元には50代の女性や皮膚科の看護師さん等多くの方から公費助成を求める声が届けられていました。昨年の決算特別委員会で帯状疱疹に罹患された高齢者の方が1年近くも後遺症が残り苦しんでおられるとの声を届け、公費助成をと訴えました。しかし、1回2万円と高額なワクチンを2回接種しなくてはなりませんので、杉並区独自予算では厳しい状況でした。

そうした中、松葉都議が帯状疱疹ワクチン接種費用を助成する市区町村を支援する予算を都議会で勝ち取っていただいたことにより、一気に流れが変わり実現の運びとなりました。

帯状疱疹は加齢・免疫力の低下やストレスにより発症すると言われており、50歳以上の罹患率が高くなっていることから50歳以上とさせていただきました。また、ワクチンは2種類ありますが、どちらも半額助成となり、2回接種のワクチンは2万円、1回接種のワクチンは3千円~4千円の自己負担となります。

②がん患者へのアピアランスケア支援―ウイッグ等購入助成

アピアランスとは外観や人の容貌を意味する言葉ですが、抗がん剤治療による頭髪や眉毛の脱毛、また乳がんで乳房を切除された等の外見の変化を補うための支援をさせていただくものです。ウィッグや乳房補正具などの購入費の一部を助成し、仕事復帰や社会参加へそっと背中を押す、支えるような事業と思っています。

③高齢者の補聴器購入助成

高齢者の補聴器購入助成も実現します。
耳が聞こえにくくなると人との接触を避け、孤立していくことがあります。会話は認知症予防に重要と言われていますので、補聴器をして人と繋がり会話が継続できるようにする予防的事業と考えています。対象は、医師の判断により中等度難聴及び補聴器が有用と認められた方としています。通販やテレビショッピングなどで補聴器を購入しても、雑音が気になって結局使用しなくなるという話をよく耳にします。医師の診断をもとに正しく使用し、その後の伴走型ケアも重要ですのでそういった点も区に要望しました。

⑤動物との共生社会のための総合的なの推進対策

動物との共生社会の構築については、都立和田堀公園内に区営のドックランを開設予定しています。
杉並区は犬の登録件数が増加しています。公園内における犬をめぐる事故やトラブルを防止するとともに、飼い主のマナーの向上など、住民同士のコミュニティやレクリエーション空間が形成されることを目的にしています。ペットは家族同然と伺いますので、災害時の同行避難等の支援も考えてまいります。

⑨すべての児童・生徒の『学びの場』の拡充

コロナ禍の中で増加した不登校児童・生徒の悩みや課題が複雑化、多様化していることから、令和5年度から相談体制を強化し、1人ひとりに応じた学びの機会や人とのつながりが確保できる支援を行っていきます。

残りの5つ(④⑥⑦⑧⑩)については推進中。次期当選を果たして次の区政報告会でご報告できるようにしたいと思います!

12年間で最も力を入れてきたこと

私は3・11東日本大震災の翌月に初当選を果たさせていただきました。
選挙なんかやっている場合じゃないといった大変重苦しい空気の中で初めての選挙戦でした。先輩から当選後に「防災対策をひろ子ちゃんのワイフワークにしていくと良いよ!」との言葉が残り、「区民の命と財産を守る」との使命感を常に心に留めてまいりました。

防災(感震ブレーカーの設置)

感震ブレーカーは、震度5強以上の揺れを感知するとこのようにブレーカーを落とし、電気を止め火災の発生を防ぐ器具です。

大規模地震により発生した火災の約6割が電気に起因する火災です。当初は木造密集地域のみの事業でしたが、公明党の要望で全区に拡がりました。今年度は早くも予算に達しました。

次年度からは無料設置の対象が広がります。無料設置は65歳以上のみの世帯、障害者手帳をお持ちの方がいる世帯など。加えて東京都が昨年9月に公表した「地震に関する地域危険度想定調査」の結果、火災危険度ランク5と4の地域は、2年間無料で設置促進を図ることになりました。

防災(初期消火器具の設置)

杉並区では同時多発的に8ヶ所で火災が発生した場合、 消防署の消火能力を超えてしまうと聞いて衝撃を受けました。昨年参加した防災訓練の際に消防署の方から伺い、地域防災力の重要性を再確認しました。自分のまちで発生した火災は、初期消火で消し止めることが大きな被害を防ぐことになります。関東大震災では一角だけ焼け残った地域がありました。住民がバケツリレーで消し止めたという事です。地域防災力が街を救う証明だと思いました。

杉並区には街頭消火器が約50メートル間隔で設置されています。大型消火器も備えていますが、震災により瓦礫が散乱する中を運びだすことに課題があると思っていました。また、道路上にある消火栓を使用して消火活動する初期消火器具が町会に1~2台配備されていますが、訓練をしないと簡単には使用できません。地域の防災訓練に参加すると高齢者や女性からこれは私たちには使えないといった声をよく耳にしていました。

そんな中で、どこにでもある水道栓を使用して初期消火を行える器具「ハリアー」があると知りました。こちらのリュックに入った器具がそれです。

会場で詳しい使い方を実演しました

操作が簡単で初めての人でも使用可能です。20メートルのホースは車が乗っても潰れず、曲がって水がとどまってしまうことはありません。放水の高さは8メートル、屋根に飛んできた火の粉にも届きます。

消火検証実施済み性能評定取得品のお墨付きを得ているということで、我が家に1台購入し、委員会室に持ち込んで繰り返し質問をしてきました。

「東京都が水道管の継手管の耐震化を進めていることを背景に、先ずは区で1台購入し、こうした消火器具があることを知らせていきたい。地域の方から要望があったところに設置してはどうか?」と提案しました。私も地域の方に知っていただきたいと思い、様々な町会の防災訓練やイベントで使っていただきました。

その結果、初期消火器具を区内に210台設置することができました。町会ごとに設置場所が決められていますので、ぜひお住いの地域の防災訓練に参加して実際に触れていただけたらと思います。

防災(アンブルボードの設置)

不安な避難生活の中では、安心していただけるよう確かな情報を届けることが重要です。例えば、空腹時に飲食物は何時に配布されるのか、寒い中で毛布やカイロは配布されるのか、女性や高齢者専用のスペースはどこに確保されているのかなど。

このアンブルボードは、水性マジックでリアルタイムな情報を書いたり消したりができます。暗闇でも光って情報を伝達できます。アナログな電光掲示板と言ったところでしょうか。聴覚障がい者の方から杉並区での設置要望を受けて議会で訴えさせていただきました。

聴覚障がい者のみならず、耳が遠くなった高齢者にも有用です。全ての震災救援所に2台づつ設置することができました。これは都内初の取組みです!!

防災(女性視点の防災対策)

避難所では過酷な生活の中、高齢者はトイレが遠くて水分を摂ることを控え、脳梗塞や心筋梗塞をおこし災害関連死として多くの方が命を落とされました。また阪神淡路大震災で指摘されながら教訓とできず、東日本大震災でも女性の性的被害が発生してしました。

そこで公明党は、「女性の視点の防災対策の必要性」を全国の公明党女性議員が中心となって連帯して動きました。その結果、地域防災計画に女性視点の防災対策を義務付けることができました。これは大きな変化だと思います。

全国の女性議員が行政の防災課にアンケート調査を実施し纏めた結果をもとに、国に3度提言を行い国を動かすことができました。それまで杉並区域防災計画の委員に女性は一人も居ませんでしたが、福祉の専門家、防災の専門家をはじめ5人の女性を登用することができました。女性のリーダーを立てること、女性専用の洗濯物干し場やトイレの確保、高齢者はトイレの近くでスペースを確保、などを考慮した避難所運営が可能になりました。

女性の視点で進めてきた一つが液体ミルクの備蓄です。人目を気にしたり、強いストレスにより母乳が出にくくなることがあります。そうした際に活用できる液体ミルクですが、日本での製造・販売は解禁されていませんでした。

松葉都議と竹谷とし子参議院議員が日本での解禁を進めていただいている中、私も繰り返し議会質問をしてきました。2019年に解禁となり、杉並区役所の常時クーラーの聞いたサーバー室、4か所の防災倉庫に冷蔵庫を置いて備蓄することを実現しました。

防災(これから実現したいこと)

私たちには何時起こるか分からない自然災害をなくすことはできません。しかし、災害が発生ししても被害を最小にするための対策はできるし終わりはないと思っています。

その中で今後進めていきたいことは、これまでも繰り返し質問を続けている母子救護所の開設です。妊婦さんや授乳婦さんが避難生活の中で辛い思いをしないように、助産師会等との連携で、子どもの泣き声など気にせずに安心して過ごせる母子専用の避難所となる場所を確保していきたいと思っています。

また、2040年には杉並区で単身の高齢者が6割と予測されています。高齢者が家の中で被災して家具の下敷きなどで逃げ遅れなどないように、家庭内防災力の向上に力を入れていきたいと思っています。

子育て(産後ケア事業創設)

仕事をしながら4人の子育ては、実家が遠い我が家にとっては本当に大変でした。自分と同じような思いをして欲しくないとの思いから、お母さんを支えられる事業をと産後ケア事業の創設に力を入れてきました。

産後ケア事業とは、親などの支援が得られない母親を支援する事業で、お母さんと赤ちゃんの健康状態の確認や疲労回復ケア、乳房ケア、母乳やミルクのあげ方についてのアドバイス、沐浴の練習、育児相談などのサービスが受けられます。これでいいのかと不安に思うことなく、ケアを受けながらゆっくり母親になっていけるような支援と考えています。令和3年度から希望するすべての方が利用できるようになりました。大好評をいただいています。令和5年度からは更に充実してまいります。

その他、下記が実現できました。

  • 子育てサポートブックの作成
  • 多胎児家庭支援
  • 区立保育園でのおむつの持ち帰り廃止

今後は区立保育園で紙おむつのサブスク子育て応援券のデジタル化が推進されていきます。お母さんの小さな負担を沢山減らしていくことを心がけています。  

統一地方選挙2023にかける意気込み

皆様に並々ならぬご支援いただきまして、政治経験のない一人の主婦を区議会にお送りいただきました。この間、只々皆様にお応えしたいお応えするのだとの思いだけで走りぬいてまいりました。私を動かしてくださるのは、皆さまからお寄せいただく声です。そのお声に耳を傾け、区へ届け、どうしたら良いのか悩んで勉強して区と掛け合って、課題解決に努め政策提言を行う中で数々の実績を積むことが出来ました。

政治を変えるのは、政治を良くするのは、皆さまの生活実感の中から発せられる声だと確信しています。その声をカタチにする責任を負っているのが政治家だと進んでまいりました。

杉並区議会は最大会派の自民党が4つの会派に分かれ、いわゆる与党系と野党系が僅差です。その中で中道の公明党がキャスティングボードを握れるかどうかが杉並区政にとって重要なポイントだと思っています。12年前に決意した、一人ひとりの尊厳が守られる、人間共和の杉並区の構築は道半ばです。中途半端では終われなません。来る区議会議員選挙4期目の挑戦を果たさせていただけますよう心よりお願い申し上げ、区政報告とさせていただきます。本日は大変に有難うございました。

会場に応援にきてくださった竹谷とし子参議院議員