パートナーシップ制度は女性を自称する男性が女湯に入れる条例ではありません!

12月22日、「(仮称)性の多様性が尊重される地域社会を実現するための取組の推進に関する条例(骨子案)」及び「(仮称)杉並区パートナーシップ制度(骨子案)」2回目の区民説明会が開催されました。

説明会開催時間に合わせて元杉並区議会議員が区役所前で抗議街宣を行っていました。その内容は、杉並区が進めている条例自体に欠陥があり、このままでは、女性を自称するただの男が女湯に入れてしまう、女の敵のような杉並区になってしまう。というものです。

結論を申し上げると、この条例が制定されても、国の法律による規制を上回ることはないため、女性を自称する男性が女湯に入れることにはなりません。

国の規制とは、厚生労働省の公衆浴場法で定められています。

公衆浴場の衛生及び風紀については、公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第3条第1項において、営業者が必要な措置を講じることとされ、また、同条第2項において、都道府県等が当該措置の基準を条例で定めることとされています。

公衆浴場における衛生等管理要領により、浴室は男女に区分した構造が規定され、入浴者に対する制限としておおむね7歳以上の男女を混浴させないこととしています。これにより、制限年齢の戸籍上の男性は女湯に入浴することはできません。加えて、旅館業における衛生管理要領にも同様の規制が定められています。

国は2020年12月、「子どもの発育発達と公衆浴場における混浴年齢に関する研究」(令和元年度厚生労働科学特別研究事業)の研究成果や、本改正に係るパブリックコメントの結果等を踏まえ、公衆浴場における衛生等管理要領等に定める男女の混浴制限年齢の目安等を改正しました。これまでの混浴制限年齢は10歳から7歳に引き下げられています。これに伴い、東京都は2021年12月に条例改正を行い、東京都内の公衆浴場の混浴制限年齢を10歳から7歳に引き下げています。

自らの性自認は尊重されるべきものですが、杉並区が進めているこの条例によって、性自認こそがすべての場面において戸籍上の性別に優先するという条例ではありません。この条例を根拠に性適合手術を受けていない戸籍上男性に振り分けられている方が、女湯に入ることは出来ません。

2022年11月施行された東京都のパートナーシップ宣誓制度の性的マイノリティの定義には、性自認が出生時に判定された性と一致しない方が含まれていますが、懸念されるような事例は発生していません。

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